ジャングリア沖縄を手がけたデベロッパー(運営会社)は「株式会社ジャパンエンターテイメント」で、それを率いる筆頭株主が、マーケター森岡毅さんの会社「刀(かたな)」です。
「テレビで話題のあの新しいテーマパーク、いったいどこの会社が作ったの?」と気になって検索された方へ。この記事では、その答えと背景を、報道や公表された情報をもとにやさしく整理してお伝えしてまいります。
初めまして、テーマパークライターの夢咲未来と申します。
長年、全国の遊園地やテーマパークに足を運んでまいりました私が、「会社名は?」「森岡毅さんとの関係は?」「700億円はどこから?」「開業後の今は?」という疑問に、順番にお答えしていきますね。
ジャングリア沖縄の運営会社(デベロッパー)は「ジャパンエンターテイメント」
まず結論からお伝えします。
ジャングリア沖縄を運営しているのは、「株式会社ジャパンエンターテイメント」という会社です。
この会社は、ジャングリア沖縄というテーマパークを作るために、2018年6月に沖縄県名護市で設立されました。つまり、このパーク事業のために生まれた専門会社なのです。
会社の基本情報を、わかりやすく表にまとめてみました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社ジャパンエンターテイメント |
| 設立 | 2018年6月 |
| 所在地 | 沖縄県名護市 |
| 代表 | 代表取締役 加藤健史さん |
| 事業内容 | 沖縄でのテーマパーク企画・開発・運営 |
デベロッパーというと難しく聞こえますが、ここでは「開発から運営までを手がける事業の主役」とお考えいただくとわかりやすいかと思います。
ジャパンエンターテイメントは、まさにその主役として、企画・開発・運営のすべてを担っている会社なのです。
なお、資本金など会社登記上の細かな数値は変わることもありますので、正確な最新情報は公式発表でご確認いただくのが安心です。
ジャングリア沖縄は森岡毅さんの会社? 実質的に率いるのは「刀」
ここで多くの方が疑問に思われるのが、「森岡毅さんの会社じゃなかったの?」という点かと思います。
その感覚は、とても正しいのです。
報道によりますと、ジャパンエンターテイメントの筆頭株主(いちばん多く出資している株主)は「株式会社刀」です。刀は大阪市に本社を置くマーケティング会社で、代表を務めるのが実業家の森岡毅さんです。
森岡さんといえば、経営不振だったユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)をV字回復させた立役者として知られる、日本を代表するマーケターのお一人です。USJ退任後の2017年に刀を創業し、データにもとづく需要予測とマーケティングを武器に事業を手がけてきた人物です。
つまり、ジャングリア沖縄というプロジェクトを実際に主導しているのは森岡さん率いる刀。その受け皿として設立された運営会社がジャパンエンターテイメント、という関係になっています。
少し複雑ですので、整理しておきますね。
- 刀……プロジェクトを主導する筆頭株主。森岡毅さんが代表。
- ジャパンエンターテイメント……ジャングリア沖縄を運営する会社。刀が最も多く出資。
- 加藤健史さん……ジャパンエンターテイメントの代表取締役。刀の中核メンバーの一人。
このように、二つの会社が役割を分け合っているのですね。
ジャングリア沖縄はどんなパーク? 出資する地元企業と大手

そもそもジャングリア沖縄は、沖縄本島北部「やんばる」の豊かな自然を舞台にした大型テーマパークで、2025年7月25日に開業しました。恐竜をテーマにしたアトラクションや、大自然を生かした体験型の施設が特徴とされています。
初めて調べる方のために付け加えますと、チケット価格や営業時間、対象年齢などの条件は改定されることがありますので、来園を計画される際は最新情報を公式サイトでご確認くださいね。
さて、ジャパンエンターテイメントの魅力の一つは、筆頭株主の刀のほかに、たくさんの企業が出資して支えている点です。
報道によりますと、主な株主には次のような企業が名を連ねているとされています。
- 刀(筆頭株主)
- オリオンビール
- リウボウ
- ゆがふホールディングス
- 近鉄グループホールディングス
このほか、旅行大手のJTBも出資に加わっているとされています。
オリオンビールやリウボウといった沖縄を代表する地元企業が名を連ねているのは、とても印象的です。
これは「沖縄の会社が中心となって、地域の力で成長を目指す」という理念を映し出しているように、私には感じられます。
ジャングリア沖縄の総事業費700億円はどう集めた?
デベロッパーの正体とあわせて、多くの方が驚かれるのが「700億円」という総事業費の大きさです。
日経BOOKプラスの記事によりますと、ジャングリア沖縄の総事業費は約700億円。ディズニーランドやUSJが開業時に2000億円規模を投じたことに比べれば小さめですが、設立から間もない刀にとっては巨大な挑戦でした。
刀はこの資金を、「エクイティ(資本)」と「デット(借り入れ)」でおよそ半分ずつまかなう計画を立てました。
少しだけ用語を補足いたしますね。
- エクイティ……株主に出資してもらって集めるお金
- デット……銀行などから借りて集めるお金
資金集めは2018年夏からおよそ4年をかけて進められましたが、その道のりは決して平たんではなかったといいます。
コロナ禍とウクライナ危機を乗り越えた資金調達の舞台裏

資金調達を先頭に立って進めたのが、運営会社ジャパンエンターテイメントの加藤健史CEOでした。
時系列で要点を整理すると、次のような流れです。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2018年夏 | 資金調達スタート。メガバンク3行が融資を検討 |
| 2020年春 | コロナ禍で観光激減、メガバンクが離脱 |
| (その後) | 大和証券グループが刀に140億円を出資 |
| 2022年春 | ウクライナ危機で金融機関が再び慎重に |
| 2022年8月 | 全国13行による協調融資 約366億円が成立 |
報道によりますと、当初はみずほ銀行を筆頭に3つのメガバンクが融資を検討していたそうです。ところが2020年春の新型コロナで観光客が激減し、先行きが見えづらくなったメガバンクは次第に離れていったと伝えられています。
そんな中で出資を決断したのが大和証券グループ本社でした。同社は刀に140億円を出資し、刀はそれを元手にジャパンエンターテイメントへ出資したとされています。
さらに意地を見せたのが、地元の琉球銀行と商工組合中央金庫(商工中金)でした。両社が協調融資の主幹事となり、全国の金融機関に声をかけて回ります。
しかし2022年春、今度はウクライナ危機が発生。前向きだった金融機関の態度が一変し、目標額まで大きく足りなくなるおそれもあったといいます。
それでも関係者は北海道から鹿児島まで全国を行脚し、2022年8月、千葉銀行や山陰合同銀行などを含む全国13行による合計約366億円の協調融資がまとまりました。
印象深いのは、国の資金活用を提案されても、森岡さんや加藤さんが首を縦に振らなかったという逸話です。「民間主体の事業でありたい」という強い信念があったと報じられています。
なお、事業には官民ファンドの関与を伝える報道もありますが、これは融資団を組む前段階での話とされ、最終的に成立した協調融資は民間金融機関が中心となりました。時期や枠組みが異なる点を押さえると、混乱せずに理解できるかと思います。
ジャングリア沖縄の赤字89億・来場100万人…運営会社の現状は?
ここまで華やかな誕生の物語をご紹介してまいりましたが、開業後の経営については、正直にお伝えしておきたいことがあります。
先に要点をまとめますと——開業1年の来場者は延べ約100万人(当初見込み150万人)、開業後初の2026年6月期はジャパンエンターテイメント単体で最終赤字約89億円、親会社ベースで約173億円の最終赤字と報じられています。
ジャングリア沖縄は2025年7月25日に開業しましたが、開業から1年間の来場者数は、当初見込んでいた150万人に対し、実際には延べ約100万人にとどまり、想定を下回りました。
さらに報道によりますと、親会社「ジャパンエンターテイメントホールディングス」の赤字の主な要因は、傘下会社の株式評価損の計上によるものとされています。
こうした状況を受け、資本構成の抜本的な見直しが必要との声も出ているとされ、運営会社が新たな出資企業を探しているとの報道もあります。
なお、これらの数値は報道時点・各集計基準にもとづくものですので、確定した最新の決算内容は公式の開示でご確認いただければと思います。
【筆者の考察】沖縄発の挑戦をどう見るか
ここからは、長年テーマパークを見てまいりました筆者としての、率直な私見を述べさせていただきます。
まず個人的に感じるのは、このプロジェクトの座組みの新しさです。
国の資金にできるだけ頼らず、地元企業と全国の民間金融機関が力を合わせて巨額を集めた——この「民間主体」の姿勢は、これまでの沖縄の大型事業とは一線を画すものだと考えられます。地域が主役になって成長を目指す理念は、地方創生の一つのモデルになり得るのではないでしょうか。
一方で、開業初年度の厳しい決算からは、テーマパーク事業の難しさもあらためて浮き彫りになったと筆者は感じています。
たとえば長崎のハウステンボスは、1992年の開業後に巨額の負債を抱えて2003年に経営破綻し、2010年にHISの支援で立て直されるまで長い苦闘を経験しました。北九州のスペースワールドも、集客の伸び悩みから2017年末に営業を終えています。
大型テーマパークは初期投資が莫大で、黒字化まで数年を要するのが一般的だと言われます。開業直後の赤字だけで成否を語れないのは、こうした業界の構造があるからだと筆者は考えます。だからこそ、開業後こそが本当の勝負どころなのでしょう。
興味深いのは、森岡さんがUSJ時代に磨いた「データにもとづく需要予測とマーケティング」の手法が、今回どこまで通用するかという点です。集客の科学で一度は不振施設を蘇らせた実績が、ゼロから作った施設でも再現できるのか。個人的には、ここがこのプロジェクト最大の見どころだと感じております。
来場者の口コミでは、キャストの接客やお土産、レストランの味に高い評価がある一方、レストランの少なさによる混雑や、日陰の少なさ、待ち時間といった課題も指摘されているようです。
こうした声にどれだけ真摯に向き合い、改善を重ねていけるか。運営会社ジャパンエンターテイメント、そして実質的に率いる刀の真価が問われるのは、まさにこれからだと筆者は考えております。
沖縄の豊かな自然「やんばる」を舞台にした渾身のプロジェクトが、時間をかけて根を張り、地域とともに育っていくことを、一ファンとして心から願っております。
まとめ
ジャングリア沖縄を手がけたデベロッパーは、運営会社「株式会社ジャパンエンターテイメント」であり、それを率いる筆頭株主が森岡毅さんの会社「刀」です。
2018年に設立されたジャパンエンターテイメントは、オリオンビールなどの地元企業やJTB、近鉄グループなど多くの出資者に支えられ、コロナ禍やウクライナ危機を乗り越えて約700億円の資金を集めました。
開業後は想定を下回る来場者数や大きな赤字といった課題も抱えていますが、民間の力で沖縄の未来を切り開こうとするこの挑戦は、これからも多くの注目を集めていくことでしょう。
あなたの休日が、心温まる素敵な物語になりますように。
夢咲 未来(テーマパークライター)
よくある質問
ジャングリア沖縄の運営会社はどこですか?
株式会社ジャパンエンターテイメントです。2018年6月に沖縄県名護市で設立された、このテーマパーク専門の会社で、企画から開発、運営までを手がけています。
ジャングリア沖縄は森岡毅さんの会社ですか?
森岡毅さんが代表を務めるマーケティング会社「刀」が、運営会社ジャパンエンターテイメントの筆頭株主として実質的にプロジェクトを主導しています。運営そのものはジャパンエンターテイメントが担っています。
ジャングリア沖縄の総事業費はいくらですか?
報道によりますと、総事業費は約700億円です。資本による出資と、銀行などからの借り入れをおよそ半分ずつ組み合わせてまかなわれ、約366億円は全国13行による協調融資で集められたとされています。


