PR

ジャングリア沖縄はその後どうなった?開業から現在までの経緯を時系列で振り返る

沖縄北部のやんばるの森を背景に、ジャングルの入口ゲートが朝の光に照らされている風景 ジャングリア沖縄
記事内に広告が含まれています。

ジャングリア沖縄の親会社は2026年6月期に173億円余りの最終赤字となり、新しいスポンサーを探す方針を示しました。2026年9月26日時点で、パークの閉園は発表されていません。

2026年9月25日の株主総会で、赤字の報告と今後の方針が示されました。この記事では、開業から赤字、スポンサー探しに至るまでの流れを、日付と数字をそろえて時系列で整理します。

後半では、ほかの地方テーマパークが経営再建に取り組んだ例と比べながら、新スポンサー次第でパークがどう変わりそうかを、筆者なりに考えます。

ジャングリア沖縄の173億円赤字とは?株主総会で示された内容

2026年9月26日時点で、ジャングリア沖縄は営業を続けており、閉園は発表されていません。ただし経営は、外部の支援を受けて立て直す段階に入りました。

NHKの報道によると、2026年9月25日にジャパンエンターテイメントホールディングスの株主総会が開かれました。同社は、パークを運営する会社を傘下に持つ親会社です。

総会では、2026年6月期の最終赤字が173億円余りだったと報告されました。

パークを直接運営する「ジャパンエンターテイメント」も、89億円余りの最終赤字だったと報じられています。

そのうえで、経営の立て直しを一緒に進める新たなスポンサーを探す方針が示されました。

一方、次の点は、筆者が確認できた報道の範囲では公表されていません。

  • スポンサーに求める条件(出資比率や、想定している業種)
  • 経営陣の責任の取り方や、続投するかどうか
  • 融資している金融機関の動き
  • スポンサーを決める時期や、交渉している相手

今の時点で確かなのは、「営業は続ける。けれども自社の力だけでは立て直しが難しく、資本面の支えを外部に求める」という方針までです。


ジャングリア沖縄とは?開業日・料金・刀との関係

ジャングリア沖縄は、2025年7月25日に沖縄県北部のやんばるエリアで開業したテーマパークです。亜熱帯の森を舞台に、恐竜をテーマにしたツアー型アトラクションや、スパなどを備えています。

開業時の料金は、住んでいる場所によって分かれていました。国内在住の大人向けの1日券が6930円、海外からの旅行者向けはそれより高い価格です。料金は改定される可能性があるため、最新の金額は公式サイトでご確認ください。

大きな注目を集めた理由のひとつが、マーケティング会社「刀(かたな)」の存在です。

報道によると、刀はジャパンエンターテイメントの筆頭株主です。刀を率いる森岡毅氏は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のV字回復に携わった人物として知られています。

開業前後には、ジャングリア沖縄が成功した場合に、アジアで第2、第3のパークを展開する構想も公表されていました。

つまりこのパークは、沖縄の一施設であると同時に、刀がテーマパーク事業を広げていくための「1号店」という役割も担っていたことになります。この二重の役割が、のちの苦戦の理由を考えるうえで大切な手がかりになります。


開業から赤字・スポンサー探しまで|ジャングリア沖縄の経緯を時系列で整理

まず、主な出来事を日付順に並べます。刀が手がけた別の施設「イマーシブ・フォート東京」の動きも、流れをつかむうえで欠かせないため一緒に載せています。

時期出来事
2024年3月1日刀が手がけた「イマーシブ・フォート東京」が開業
2025年3月1日イマーシブ・フォート東京が大型リニューアル
2025年7月25日ジャングリア沖縄が開業。開業直後は多くの人が来場
2025年7月〜2026年1月ごろ開業から半年間のパーク単体の入園者数は約55万人(塩地優氏の記事による)
2026年2月28日イマーシブ・フォート東京が閉業
2026年前半沖縄らしい飲食メニューへの改定、参加型ショー「カチャーシーパーティー」を開始
2026年5月沖縄観光コンベンションビューローの人流データで、来訪者は約4万2000人
2026年7月アトラクションを1つだけ体験できる安価なチケットを追加
2026年7月14日日経クロストレンドが、危機感を語る森岡毅氏のインタビューを公開
2026年7月下旬開業1周年。スパを含む初年度の来場者は約100万人、売上高は100億円を超える見通しと公表
2026年9月25日親会社の株主総会で173億円余りの最終赤字を報告。新スポンサーを探す方針を表明

※飲食メニューの改定などは報道で「2026年に入って」とされており、月までは特定できていません。

1年あまりの流れは、大きく3つの段階に分けられます。開業直後のにぎわい、改善策を次々に打った時期、そして資本面から立て直す段階です。

「100万人」と「55万人」は何が違う?

報道には、「約100万人」と「半年で約55万人」という2つの数字が出てきます。どちらも正しい数字ですが、数えている範囲と期間が違います。

  • 約100万人:期間は開業からの1年間。範囲はスパを含む施設全体。ジャパンエンターテイメントが開業1周年に公表した数字です
  • 約55万人:期間は開業からの半年間。範囲はパーク単体の入園者。日本遊園地学会会長の塩地優氏が、現代ビジネスへの寄稿で示した数字です
  • 約4万2000人:期間は2026年5月の1か月間。沖縄観光コンベンションビューローの人流データをもとに、塩地氏が紹介した数字です

塩地氏は、6〜7月はやや持ち直したとみられるものの、多くても月6万人程度、年間では70万人程度ではないかと推計しています。

同じ記事の中で塩地氏は、採算ラインを年間150万人としています。どのような根拠で出された数字なのか、詳しい説明は記事からは読み取れません。

塩地氏は、この前提が変わっていなければ、週刊文春が報じた「手元資金は半年後(年末ごろ)に尽きるおそれがある」という見立てよりも、早く資金が足りなくなる可能性があると指摘していました。

株主総会でスポンサー探しが表明されたのは、この指摘から間もない時期でした。数字の流れをたどると、今回の発表は突然の出来事ではなく、夏ごろから見えていた資金面の課題が表に出たものだと読み取れます。

※画像はAIによるイメージ

なぜ赤字に?入園者数の伸び悩みと立地・戦略の課題

SNSの口コミと「満足度」のズレ

開業直後はにぎわいましたが、SNSには当初から厳しい口コミも多く見られました。

森岡毅氏は、2026年7月14日公開の日経クロストレンドのインタビューで、SNS時代に1年目からこれほどの批判を受けたことについて、想定していた中でも「相当まずい」と認識していると語っています。

塩地氏は、運営側が重視してきた「満足度」という指標にも疑問を示しています。

アンケートで「満足」と答えた人の中には、「どちらかといえば満足」くらいの人も含まれます。その程度では、東京ディズニーランドやUSJのように、帰り道に思わず誰かへ話したくなるほどの感動には届きにくい、という指摘です。

不満を減らすことと、人に語りたくなる体験をつくることは別の目標です。 口コミで人が集まるかどうかが決まる今は、この違いがそのまま入園者数の差になって表れます。

那覇から遠い北部という立地

塩地氏は、集客と投資額が釣り合わない根本の原因は立地にあると分析しています。

アドタイ(AdverTimes.)の記事も、沖縄観光には地域ごとの偏りがあると触れています。北部には沖縄美ら海水族館などの人気スポットがありますが、多くの旅行者は那覇など南部に泊まり、北部へは日帰りで出かけます。

2泊3日や3泊4日の沖縄旅行で「丸1日をひとつのパークに使う」のは、旅の計画としてかなり思い切った選択です。海や離島、グルメと比べたうえで、1日をまるごと使ってもらえる理由をつくる必要がありました。

チェーン展開を見据えた「テーマパーク」という前提

塩地氏はさらに、アジアでのチェーン展開構想が、パークの性格を決めたのではないかと指摘しています。

ほかの地域へ広げられるブランドにするには、沖縄のご当地スポットではなく、どこでも通用する「テーマパーク」として形を整える必要があった、という見方です。

イマーシブ・フォート東京と重なる流れ

刀の施設が方針転換を迫られたのは、今回が初めてではありません。

2024年3月1日に開業したイマーシブ・フォート東京は、テーマパークらしい気軽な体験が受けると見込んでいました。ところが実際には、演劇的で深い没入体験を求める人が多かったため、2025年3月1日に大きくリニューアルしました。

それでも採算は合わず、2026年2月28日に閉業しています。

塩地氏は、同じような見込み違いが2度続いたことから、刀の「市場を見極める力」に疑問符がつくと述べています。

2つの施設に共通するのは、開業前に描いた「お客さまが求めるもの」と、実際に来た人が求めたものがずれていた点です。そのずれを開業後の改善だけで埋めるのは難しい、ということも、この2つの例は示しています。


赤字の中で何が変わった?ジャングリア沖縄の2026年の改善策

厳しい状況の中でも、パークは内容の見直しを続けてきました。

  • 飲食メニューの沖縄色を強化:じゅーしー(沖縄の炊き込みご飯)や、黒糖と塩を使った「黒糖まーす味」のポップコーンなど、沖縄らしいメニューを増やしました
  • 参加型ショーの開始:沖縄の踊り「カチャーシー」を観客も一緒に踊る「カチャーシーパーティー」が始まりました
  • 安価なチケットの追加:2026年7月から、アトラクションを1つだけ体験できるチケットが登場しました。報道では、6930円の1日券の半額以下と伝えられています

3つの中で、パークの方針が変わったことをいちばんはっきり示しているのは、3つ目のチケットです。

これまでの料金体系は、1日しっかり遊ぶことを前提にしていました。単品チケットができたことで、美ら海水族館を見た帰りに1〜2時間だけ立ち寄る、という過ごし方ができるようになりました。

塩地氏も、このチケットを沖縄観光の流れに組み込むための施策だと評価しています。

飲食とショーの見直しも、方向性は同じです。「どこの国にもあるテーマパーク」から、「沖縄に来たからこそ体験できる場所」へと軸足を移しつつある、と筆者は読み取っています。

※画像はAIによるイメージ

赤字=失敗なのか?ジャングリア沖縄の経済波及効果

173億円の赤字が報じられると、SNSでは「やはり失敗だった」という声も広がりました。

一方でアドタイの記事は、別の角度からの評価も紹介しています。開業前に掲げていた目標は、パーク単体で利益を出すことだけではありませんでした。北部への観光客の呼び込み、宿泊需要の創出、ほかの産業への経済波及、人材育成も含まれていたのです。

りゅうぎん総合研究所の試算によると、開業から1年間の沖縄県内への経済波及効果は494億円にのぼります。

経済波及効果とは、来場者がパークで使ったお金(直接効果)に加えて、そのお金が食材の仕入れや交通、宿泊、従業員の消費などを通じて県内をめぐった分まで含めた金額です。パークの売上高とは性格の違う数字である点に注意が必要です。

比較のために、同研究所の別の試算も紹介します。2025年のプロ野球春季キャンプの経済効果は224億2100万円、クルーズ船観光は161億300万円でした。

会社の決算と、地域にもたらした効果は、分けて評価する必要があります。 筆者としては、会社としては赤字でも、北部にお金と人の流れを生んだという点では、開業時の目的の一部は果たしていると考えます。

ただし、経済効果はパークが営業を続けてこそ生まれるものです。地域への恩恵を続けるためにも、今回の立て直しは欠かせません。

なお、名護市や今帰仁村などの地元自治体、沖縄県、観光業界が今回の赤字やスポンサー探しにどう反応したかは、筆者が確認した報道の範囲では伝えられていません。続報で分かり次第、注目したいところです。


新スポンサー探しでジャングリア沖縄はどうなる?(筆者の私見)

ここからは、テーマパークの動向を長く追ってきた筆者の私見です。

地方の大型パークは、経営が変わると大きく姿を変えてきた

経営難の地方テーマパークが、新しい経営のもとで生まれ変わった例は、過去にもあります。

長崎県のハウステンボスは、2003年に会社更生法の適用を申請しました。その後、2010年に旅行会社エイチ・アイ・エス(HIS)の傘下に入ると、「花」や「光」をテーマにしたイベントに力を入れ、集客の立て直しにつなげました。2022年には、香港の投資会社PAGに売却されています。

香川県のレオマワールドは、1991年に開業したあと2000年にいったん休園しました。その後、別の経営のもとで再開し、現在は温泉施設を運営する会社のグループとして、宿泊と組み合わせた営業を続けています。

これらの例から見えるのは、スポンサーが変わると、パークの「売り方」も、スポンサー本業の強みに合わせて変わりやすいということです。旅行会社ならツアーや送客に、温泉宿の会社なら宿泊とのセット利用に、それぞれの強みが生かされてきました。

スポンサーのタイプ別に考える、3つのシナリオ

この流れを踏まえ、新スポンサーのタイプによってジャングリア沖縄がどう変わりうるか、筆者なりに3つのシナリオを考えました。どれも予測であり、実際の相手や条件は発表されていません。

  • シナリオ1:交通・旅行系の企業が加わる場合

那覇からのバスツアーや、美ら海水族館とのセット商品など、「北部へ行く手段」をまとめて売る方向が考えられます。立地の弱さを補いやすく、単品チケットとの相性も良いと考えます。

  • シナリオ2:ホテル・不動産系の企業が加わる場合

周辺に宿泊施設を整え、「北部に泊まる旅」をつくる方向です。日帰りの観光地を滞在型の目的地に変えられれば、開業時に目指した宿泊需要の創出に近づきます。ただし宿の整備には時間がかかるため、効果が出るまでには年単位の時間が必要になりそうです。

  • シナリオ3:投資ファンドが加わる場合

短い期間で採算を改善することが重視され、人件費や運営体制の見直しがまず進むと考えられます。数字はいち早く立て直せる一方で、体験の質とのバランスが難しくなる可能性もあります。

個人的には、北部という立地の弱さを直接補える、シナリオ1か2に近いパートナーが、パークの今後にとって望ましいと考えます。

避けて通れない運営コストの問題

どのスポンサーが加わっても、運営コストの見直しは避けられないでしょう。

塩地氏は、2026年3月中旬に訪れた際、ツアー型アトラクション「ファインディングダイナソー」で、入口から出口までに13人のスタッフを見かけたと記しています。1時間に200人に満たないペースで運営されており、機械式の遊園地アトラクションならスタッフ1〜2人でまかなえる規模だ、という指摘です。

スタッフによる案内は、ジャングル探検の臨場感を支える大切な要素です。一方で、観光地に立ち寄るような短時間の利用が増えれば、来場者1人あたりの売上は下がります。

人の手による温かさを残す場面と、仕組みで効率化する場面をどう分けるか。 地域の雇用を守りながらこの線引きができるかどうかが、立て直しの成否を大きく左右すると筆者は考えます。

※画像はAIによるイメージ

これから訪れる方へ|計画前に確かめたいこと

ジャングリア沖縄は今、「変化の途中」にあるパークです。お出かけを考えている方は、次の点を事前に確かめておくと安心です。

  • チケットの種類と価格:1日券と単品チケットのどちらが自分の旅程に合うか
  • 営業日と営業時間:経営の見直しにあわせて変わる可能性があります
  • ショーやアトラクションの実施状況:内容の入れ替えがありえます
  • 移動手段と所要時間:那覇方面から向かう場合は、移動時間も含めて1日の計画を立てること
  • 北部のほかの観光地との組み合わせ:美ら海水族館などとあわせて「半日だけ」楽しむ計画も考えられます

最新の情報は、お出かけ前に必ず公式サイトでご確認ください。

家族旅行なら、半日利用にすると小さなお子さまの負担を減らせます。ひとり旅なら、北部をめぐる途中に気軽に立ち寄れます。変わりつつある今のパークを見ておくのも、テーマパークの楽しみ方のひとつだと思います。


まとめ|ジャングリア沖縄の赤字とスポンサー探しの要点

ジャングリア沖縄は2025年7月25日に開業しました。しかし、その後は入園者数が伸び悩み、2026年6月期に親会社が173億円余りの最終赤字となりました。

2026年9月25日の株主総会では、新たなスポンサーを探す方針が示されました。9月26日時点で、閉園は発表されていません。

パークは、沖縄らしい飲食メニューや単品チケットなどを通じて、「沖縄観光の流れに組み込まれる施設」への転換を進めています。今後は、どのような企業がスポンサーとして加わるかが、パークの方向性を大きく左右しそうです。


よくある質問

ジャングリア沖縄は閉園するのですか?

2026年9月26日時点で、閉園は発表されていません。親会社が赤字を報告し、立て直しのために新たなスポンサーを探す方針を示した段階です。

ジャングリア沖縄の赤字はいくらですか?

親会社のジャパンエンターテイメントホールディングスが173億円余り、運営会社のジャパンエンターテイメントが89億円余りの最終赤字(いずれも2026年6月期)と報じられています。

ジャングリア沖縄に安く入れるチケットはありますか?

2026年7月から、アトラクションを1つだけ体験できるチケットが加わりました。報道では、6930円の1日券の半額以下とされています。正確な金額は公式サイトでご確認ください。

テーマパークライター 夢咲 未来