「アドベンチャーワールドでシャチが見られるかしら」と気になって調べてみると、実は現在アドベンチャーワールドにシャチは在籍しておらず、2005年を最後にその姿を消していることが分かります。
そして気になるシャチそのものの大きさも、オスで体長最大約9.8メートル、体重最大約10トンにも達する、海の王者と呼ぶにふさわしい海洋生物です。
こんにちは、テーマパークライターの夢咲未来と申します。
今回は、和歌山県のアドベンチャーワールドとシャチのかつての関係、そして現在シャチに会える施設やその圧倒的な大きさについて、初めての方にも分かりやすくご案内してまいります。
アドベンチャーワールドにシャチはいる?かつての飼育の歴史
結論から申し上げますと、現在のアドベンチャーワールドにシャチは飼育されておりません。
アドベンチャーワールドは1978年4月22日に開園した和歌山県南紀白浜の複合型テーマパークで、開園当初から長年にわたり複数頭のシャチを飼育してきた歴史を持つ施設として知られています。
最後まで在籍していたオスのゴローが2005年1月に亡くなったことをもって、アドベンチャーワールドからシャチの展示は終了しました。
エサとなる天然の魚類資源の確保や、広大な海を回遊するシャチの生態を限られたプールで再現することの難しさが、飼育継続を難しくした背景にあると考えられます。
現在、日本国内でシャチに実際に会える水族館は、千葉県の鴨川シーワールド、愛知県の名古屋港水族館、兵庫県の神戸須磨シーワールドの3カ所となっており、アドベンチャーワールドは含まれておりません。
アドベンチャーワールドは現在、ジャイアントパンダの繁殖・展示に力を注ぐ施設として広く知られており、シャチからパンダへと目玉展示がシフトしてきた経緯も、日本の動物園・水族館業界における展示方針の変化を映す一例だと筆者は捉えております。
シャチの体長・体重はどれくらい?基本データを解説
では改めて、シャチという生き物そのものの大きさについて見てまいりましょう。
シャチは学名を Orcinus orca といい、生物学的にはイルカ科の中で最も大きな種にあたります。
オスは最大体長が約9.8メートル、最大体重が約10トンに達するとされ、メスはオスよりもやや小柄で、最大体長は約8.5メートル、最大体重は約7.5トンほどとされています。
10トンという数字だけではなかなか実感がわきにくいかもしれませんが、これはおおよそ軽自動車10台分に相当する重さです。
体の白黒模様にも意味があり、海の上から見ると黒く、海中から見上げると太陽の光で白く見えるという海の光の性質を利用し、敵や獲物から見つかりにくくするための工夫だと考えられています。

こうして数字で見てみますと、シャチがいかに海の中で圧倒的な存在感を放つ生き物であるかが伝わってまいります。
日本の水族館にいるシャチたちの実際のサイズ
数字だけではイメージがしにくいので、実際に日本の水族館で暮らしているシャチたちの様子もご紹介いたします。
名古屋港水族館には国内唯一のオスであり、日本最大級のシャチとされる個体が暮らしており、成長に伴って体長・体重ともに年々大きくなっていることが同館から発表されています。
同館には血縁関係にあるメスの個体も在籍しており、親子・きょうだいの絆を感じられる群れの様子を見られるのも魅力です。
神戸須磨シーワールドには、名古屋港水族館から移籍したメスの個体と、その娘にあたるメスの個体の2頭が暮らしています。
鴨川シーワールドには複数頭のメスが在籍しており、開業以来続く大迫力のシャチパフォーマンスで知られています。
各館の公式サイトでは、在籍する個体それぞれの年齢や体格の推移を随時発表しておりますので、最新かつ正確な数値をお確かめになりたい方は、訪問前に各水族館の公式発表をご覧いただくことをおすすめいたします。
成体のオスであれば体重3トンを超える個体も珍しくなく、野生下でオスが最大10トンに達することを踏まえると、水族館のシャチたちもまだまだ成長の可能性を秘めていることが分かります。
シャチの大きさを他の動物と比較してみると
シャチの大きさをより実感していただくために、他の動物と比べてみましょう。
- シャチ(オス):体長約9.8メートル、体重約10トン
- アフリカゾウ(オス):体長約6〜7.5メートル、体重約6トン前後
- ホホジロザメ:体長約4〜6メートル、体重約1.5〜2トン
- キリン:体高約5〜5.5メートル、体重約1〜1.9トン
- バンドウイルカ:体長約2〜4メートル、体重約150〜650キログラム
こうして並べてみますと、陸上最大の動物であるアフリカゾウと比べても、シャチの体重はそれを上回ることが分かります。
海の中で恐れられる存在であるホホジロザメと比較しても、シャチの体格は一回り以上大きいのです。
シャチが英語で「キラー・ホエール」と呼ばれる由来も、こうした圧倒的な体格と、集団で獲物を追い詰める狩りの巧みさにあると言われています。
かつてアドベンチャーワールドで暮らしていたシャチたちも、成長すればこれほどの体格に達し得る個体だったと考えると、当時の来園者が抱いた驚きの大きさも想像に難くありません。
なぜシャチはこれほど大きくなるのか
シャチがこれほどの大きさに成長する背景には、彼らの生態そのものが深く関わっていると考えられます。
シャチは北極から南極まで、世界中のあらゆる海に生息する適応力の高い動物です。
そして「ポッド」と呼ばれる群れを形成し、生涯を共に過ごしながら、集団で狩りを行う社会性の高い生き物でもあります。

魚類はもちろん、イルカやアザラシ、ペンギン、時には自分よりも大きなクジラすら捕食対象とする幅広い食性が、あの巨大な体を維持するエネルギー源になっていると考えられます。
つまりシャチの大きさは、単なる体格の話にとどまらず、海の食物連鎖の頂点に立つ捕食者としての生態そのものを物語っているのです。
考察:なぜアドベンチャーワールドはシャチ飼育をやめたのか
ここからは筆者としての所感を述べさせていただきます。
アドベンチャーワールドが開園から長きにわたりシャチを飼育してきた歴史を振り返ると、当時の日本において、この巨大な海の王者を間近で見られる場所として、多くの来園者に驚きと感動を与えてきたのだろうと想像いたします。
一方で、2005年以降シャチの飼育が途絶えていることの背景には、単に一頭の個体が亡くなったという事実以上に、世界的な潮流が関わっていると筆者は考えております。
2010年代以降、欧米では大型海洋哺乳類の展示のあり方そのものを問い直す動物福祉の議論が広がり、アメリカの大手水族館グループが新規の飼育繁殖からの撤退方針を打ち出すなど、シャチ飼育を取り巻く環境は世界的に大きく変化してきました。
こうした国際的な流れの中で、天然資源の確保や飼育スペースの制約といった現実的な課題も重なり、日本国内でシャチを継続飼育できる施設が3館にまで絞られてきたのではないかと筆者は推察しております。
その一方で、アドベンチャーワールドがジャイアントパンダの繁殖・保全という別の分野で存在感を高めてきたことは、展示動物の選択そのものが、来園者への驚きの提供だけでなく、種の保全や動物福祉への配慮とどう両立させるかという、テーマパーク経営の判断そのものを映しているように感じられます。
今後アドベンチャーワールドで再びシャチに会える日が来るかどうかは分かりませんが、もし訪れる際には、こうした展示方針の変遷にも思いを馳せながら、現在シャチに会える3つの水族館へ足を運んでみるのも素敵な休日の過ごし方ではないでしょうか。
よくある質問
アドベンチャーワールドで今シャチは見られますか?
いいえ、現在アドベンチャーワールドにシャチは飼育されていません。2005年1月に最後の個体ゴローが亡くなって以降、シャチの展示は行われておりません。
シャチとアフリカゾウはどちらが大きいですか?
体重で比較すると、オスのシャチは最大約10トンに達し、アフリカゾウの最大約6〜7.5トンを上回ります。シャチは陸上最大の動物であるゾウよりも重くなる場合があるのです。
日本でシャチに会える水族館はどこですか?
千葉県の鴨川シーワールド、愛知県の名古屋港水族館、兵庫県の神戸須磨シーワールドの3カ所です。かつてはアドベンチャーワールドなどでも飼育されていましたが、現在はこの3施設のみとなっています。訪問前には各館の公式サイトで最新の在籍状況をご確認ください。
まとめ
アドベンチャーワールドは1978年の開園以来、長年にわたりシャチを飼育してきましたが、2005年1月のゴローの死を最後に、現在シャチは在籍しておりません。
シャチという生き物そのものは、オスで体長最大約9.8メートル、体重最大約10トンにも達し、陸上最大の動物であるアフリカゾウをも上回る、海の王者と呼ぶにふさわしい大きさを誇ります。
現在は鴨川シーワールド、名古屋港水族館、神戸須磨シーワールドという日本国内3カ所で、堂々とした姿のシャチたちに会うことができます。
シャチの大きさやこれまでの歴史、そして飼育をめぐる世界的な変化にも思いを馳せながら、ぜひ現在シャチに会える水族館へ足を運んでみてはいかがでしょうか。


