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ジャングリア沖縄の今後はどうなる?拡張計画と将来性を予測

沖縄北部やんばるの緑の森に広がる大型テーマパークの全景と、青空を背景にした入り口ゲート ジャングリア沖縄
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ジャングリア沖縄の今後は、「一日滞在型のテーマパーク」から「沖縄観光に組み込める施設」へと姿を変えながら、生き残りを目指す段階に入っています。

開業からおよそ1年、来場者数は当初見込みの年間150万人に対して約100万人にとどまり、親会社は約173億円の最終赤字を計上しました。

ただし、この赤字額には注意して読むべき中身があり、運営側はすでに方向転換を始めています。その動きが、未来を占う手がかりになります。

テーマパークライターの夢咲未来です。今回は報じられている事実をもとに、ジャングリア沖縄のこれからを整理してまいります。数字の話には補足を添えますので、肩の力を抜いてお読みください。

ジャングリア沖縄の今後を左右する「現在地」とは?

まず、いまどのような状況にあるのかを事実にそって整理します。

ジャングリア沖縄は、2025年7月25日、沖縄県の今帰仁村(なきじんそん)と名護市にまたがる場所で開業しました。

運営は「ジャパンエンターテイメント」。その筆頭株主が、USJ再建で知られる森岡毅(もりおか つよし)氏率いるマーケティング会社「刀(かたな)」です。

開業直後こそ殺到したものの、勢いは続きませんでした。報道によれば、開業から半年間のパーク単体の入園者数は55万人にとどまり、その後も当初の勢いは戻っていないとされています。

森岡氏自身も、日経クロストレンドのインタビュー(2026年7月14日公開と報じられています)で危機感を語っています。要約すると、SNSが広く使われるこの時代に開業1年目でこれほど批判を受けるのは、想定の中でも相当まずい状況だ、という趣旨でした。

事業を率いる方がここまで正直に「厳しい」と口にするのは、めずらしいことです。それだけ現実が深刻だという裏返しだと、筆者は受け止めています。


ジャングリア沖縄は173億円の赤字?数字の正しい読み方

※画像はAIによるイメージ

2026年9月、大きなニュースが報じられました。運営会社の親会社「ジャパンエンターテイメントホールディングス」が、開業後初の決算(2026年6月期)で約173億円の最終赤字になった、という内容です。

時事通信などが9月25日に報じ、同社は那覇市内で株主総会を開いて説明をおこないました。

ここで、落ち着いて読み解きたい点があります。「ジャングリアが173億円の赤字」とだけ捉えるのは、少し正確ではありません。

税理士向けの専門メディア「税理士.ch」の解説によると、この約173億円はあくまで「親会社」の最終赤字です。実際にパークを運営する子会社「ジャパンエンターテイメント」自体の最終赤字は、約89億円だったと報じられています。

親会社側の損失には、子会社株式の価値が下がったことによる「評価損」なども含まれます。評価損とは、持っている資産の価値が目減りした分を帳簿に反映させるもので、現金が実際に出ていく損失とは性質が異なります。

つまり、173億円がそのまま「パークの営業で出た赤字」というわけではないのですね。

とはいえ、厳しい船出だったことは変わりません。会社側は報道を受け、「現在も通常通り営業を行っており、今後もパークの運営を継続してまいります」との声明を公式サイトに出しています。


ジャングリア沖縄とディズニー・USJを比較すると見える課題

テーマパーク経営を理解するうえで、大手との比較は参考になります。

項目ジャングリア沖縄東京ディズニーリゾートUSJ
来場者数約100万人(開業後約1年)2,753万人(2026年3月期)約1,600万人(推計)
大人1日券6,930円8,900円〜8,400円〜
1人当たり売上高非公開18,403円非公開

ここで、上の表の「来場者数」について補足します。ジャングリアの「約100万人」は、併設スパの利用者を含む数字です。報道で示されているパーク単体の入園者数は、開業から半年で約55万人でした。

一方、ディズニーとUSJの数字はパークへの入園者数です。つまり比較の基準がそろっていない点にご注意ください。それでも来場規模の差がとても大きいことは、はっきり読み取れます。

もっとも、ディズニーもUSJも何十年とかけて育った施設です。開業初年度のジャングリアと単純に同じ土俵で比べるのは、酷かもしれません。

注目したいのは「1人当たり売上高(客単価)」という考え方です。

オリエンタルランドのデータによると、東京ディズニーリゾートでお客様1人がパーク内で使う金額は約18,403円。内訳はアトラクション・ショー収入が9,608円、商品販売が5,227円、飲食が3,569円とされています。

入場料だけでなく、園内でのお買い物やお食事を積み重ねて客単価を高めているのですね。ディズニーは入園者数が横ばいでも、この客単価を伸ばして過去最高の売上を記録しました。

テーマパークは「何人来たか」だけでなく、「1人がいくら使ったか」が大切だと、よくわかります。ジャングリアにもプレミアムパスやスパがありますので、ここをどう育てるかが収益を左右しそうです。


なぜ厳しいのか?ジャングリア沖縄が抱える「立地」という宿題

集客がすぐ上向かない背景を考えます。

日本遊園地学会会長の塩地優(しおじ ゆう)氏は、ジャングリアが「集客と投資額の関係」という矛盾を抱え、それは立地から生まれていると指摘しています。

ジャングリア沖縄があるのは、那覇空港から車でおよそ1時間30分から2時間かかる、沖縄本島北部のやんばるエリアです。

美しい自然に囲まれた魅力的な場所である一方、気軽に何度も通える距離ではありません。

従来の大人6,930円という設定では、せっかく来たなら一日たっぷり遊ばないと「割に合わない」と感じる方が多かったのではないでしょうか。

けれども沖縄旅行では、美ら海水族館や古宇利島(こうりじま)など、ほかにも訪れたい場所がたくさんあります。貴重な旅行の一日をまるごとテーマパークに使うのは、勇気がいるものです。

このあたりに、集客が伸び悩んだ一因があると、筆者は感じています。


ジャングリア沖縄の今後の方向転換・拡張計画は?

※画像はAIによるイメージ

いよいよ本題の「これからどうなるのか」です。

実はジャングリア沖縄は、もう未来へ一歩を踏み出しています。方向性は、「テーマパーク」という枠にこだわりすぎず、「沖縄観光に溶け込む施設」へと変わることです。

具体的な動きを挙げます。

  • 沖縄らしさの強化:2026年前半に大幅なメニュー改定を行い、沖縄の炊き込みご飯「じゅーしー」や、黒糖まーす(塩)味のポップコーンなど、沖縄らしい味を増やしました。
  • 文化体験の導入:沖縄の踊り「カチャーシー」を観覧者も一緒に踊る「カチャーシーパーティー」というショーが始まりました。
  • 安価なチケットの新設:2026年7月から、アトラクションを1つだけ体験できる、従来の半額以下のチケットが加わりました。

とりわけチケットの見直しは、大きな意味を持ちます。「沖縄旅行の貴重な一日は割けない」と感じていた方でも、短時間だけ立ち寄れるようになるからです。

美ら海水族館などとあわせて訪れる、沖縄観光の流れに自然に組み込むためのチケットだといえます。

飲食やショーだけで観光の定番スポットに変わることはできませんが、これらはたしかに重要な一歩です。


「イマーシブ・フォート東京」の教訓から見る将来性

ジャングリアの今後を占ううえで、見逃せない前例があります。同じく刀が手がけた「イマーシブ・フォート東京」です。

この施設は2024年3月1日に開業しましたが、わずか2年後の2026年2月28日に閉業しました。

当初は気軽な「ライトな体験」が受けると見込んでいたものの、実際には演劇のように深く入り込む「ディープな体験」を求める人が多く、2025年3月に大きくリニューアルしたのです。それでも採算が合わず、閉業に至りました。

ジャングリアも、テーマパークとして開業したあとで「沖縄の観光スポット」としての需要に気づき、方向を修正しつつある点が、どこか似ています。

同じような見立て違いが二度起きていることは、刀の「市場を見極める力」に疑問を投げかける、と塩地氏は厳しく分析しています。

ジャングリアが観光スポットになりきれなかった理由として、ジャングリアブランドをアジア圏に第2、第3と展開する構想があったことも挙げられています。チェーン展開を見据えたからこそ、特定の観光地に寄せず、どこでも通用する「テーマパーク」である必要があったのですね。


考察:ジャングリア沖縄の今後をどう見るか

※画像はAIによるイメージ

ここからは、長年テーマパークを見てきた筆者の私見として、見通しをお話しします。論点を3つに分けて整理します。

1. 「沖縄観光に溶け込む」方向性は正しいか

筆者としては、この方向性は間違っていないと考えます。立地という変えられない条件を前提にするなら、一日滞在型にこだわるより、旅の一場面として立ち寄ってもらう形のほうが自然だからです。

塩地氏も立地の矛盾を指摘していますが、筆者はそこから一歩進めて、「立地は弱みではなく、北部観光の導線に乗せれば強みに変えられる」と見ています。

2. 筆者が考える具体的な打ち手

方向性を結果につなげるには、具体策が要ります。識者の指摘にとどまらない、筆者なりの提言を挙げます。

  • 美ら海水族館との共通券・周遊パス:北部観光の二大スポットをセットにし、「どちらか」ではなく「両方」行く動機をつくる。
  • 那覇・リゾートエリアからの送迎バスの定着:車移動のハードルを下げ、免許のない若年層やインバウンドを取り込む。
  • ナイト営業・夜のショーの強化:北部宿泊客の夜の選択肢になれば、一日の中での立ち寄り時間を増やせる。

これらは「滞在時間が短くても満足できる体験」を増やし、立地の弱みをやわらげる発想です。

3. 客単価と採算への現実的な試算

ここは注意が必要です。観光文脈に合わせてチケットを下げ、滞在が短くなれば、客単価はどうしても下がります。

試みに、あくまで筆者の仮の試算として考えてみます。仮に年間来場を120万人、客単価を控えめに8,000円前後と置けば、パーク収入はおよそ100億円規模。一方でディズニーの客単価は約18,000円ですから、物販・飲食・プレミアムサービスを伸ばし、客単価を1万円台に乗せられるかどうかが、現実的な目標ラインだと筆者は見ています。(これは公表データに基づく筆者の試算で、公式の数値ではありません。)

そのためにも、費用を見直す「コストカット」は避けて通れないでしょう。塩地氏によれば、ジャングリアは人の手を使ったアトラクションが多く、運営費が高い構造だといいます。恐竜テーマの「ファインディングダイナソー」では、入り口から出口まで13人ものスタッフが配置されていたと報じられています。

地域の雇用はとても大切ですが、それ自体が目的になると事業が続きません。長く地域に愛される企業になるためにも、ある程度の見直しは必要なのかもしれません。

資金面も注意深く見る必要があります。沖縄観光コンベンションビューローの人流データでは、2026年5月にジャングリアを訪れた人は約4万2000人。塩地氏は、多くても月6万人程度、年率70万人ほどと推計しています。採算ラインが150万人だとすれば、まだ距離があるのが正直なところです。

とはいえ、活路が閉ざされたわけではありません。いかに早く費用を見直しつつ、具体策で「沖縄の定番観光スポット」の地位を築けるか。そこが勝負の分かれ目になると、筆者は考えています。


まとめ:ジャングリア沖縄の今後に注目したい理由

ジャングリア沖縄は、開業初年度に親会社で約173億円(運営会社では約89億円)の最終赤字を計上し、来場者数も当初想定の150万人に対し約100万人(スパ含む/パーク単体は半年で約55万人)と、厳しいスタートとなりました。

背景には、那覇から遠い立地と、一日滞在型という形がかみ合わなかったことがあります。

けれども運営側は、沖縄らしいメニューやカチャーシーのショー、半額以下の新チケットなど、「沖縄観光に溶け込む施設」への転換を始めています。

今後の鍵は、コストの見直しを進めながら、共通券や送迎、ナイト営業といった打ち手で客単価と再訪を高め、沖縄旅行の定番として愛される場所になれるかどうかです。

一人の愛好家としては、やんばるの豊かな自然を活かしたこの施設が、沖縄の新しい顔として根づく姿を願っています。旅の計画では、価格やサービスは変わることがありますので、最新情報を公式サイトでご確認ください。


よくある質問

ジャングリア沖縄は潰れてしまうのですか?

いいえ、現時点で閉園や廃業が公式に発表された事実はありません。運営会社は「今後も変わらず運営を継続していく」との声明を出しています。ただし来場者数は当初想定を下回り、厳しい経営状況にあると報じられています。

ジャングリア沖縄の今後の料金はどうなりますか?

安価な選択肢が増えています。2026年7月から、アトラクションを1つだけ体験できる、従来(大人6,930円)の半額以下のチケットが加わりました。沖縄観光の合間に短時間立ち寄りたい方向けです。最新の価格は公式サイトでご確認ください。

ジャングリア沖縄はどこにありますか?

沖縄県北部の今帰仁村と名護市にまたがるやんばるエリアにあります。那覇空港からは車(高速道路利用)でおよそ1時間30分から2時間が目安です。美ら海水族館など北部の観光スポットとあわせて訪れる方が多い立地です。